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ダイニチ工業株式会社のハイブリッド式(気化式×温風気化式)加湿器【HD-RXT924】を2025年1月に購入した。そこで1ヶ月使用したレビューを紹介したいと思う。なお、寝室用の象印スチーム式加湿器との比較多め。
結論|バランス型。5教科オール「4」の優等生。
電気代は標準モードで運転したときはそこそこかかる。ただスチーム式よりは安い。その代わり、スチーム式よりお手入れの手間はかかる。ただ全くお手入れしなかったとしても、取替パーツがあるのでまるごと交換したら大丈夫。
まさにバランス型。クラスに一人はいる5教科オール「4」の優等生。
購入経緯|リビング用の加湿器がほしい
リビングは元々は加湿しておらず
我が家では元々冬の時期にリビングで加湿器を使用していなかった。というのも私と妻は仕事で日中家にいないし、同様に息子も保育園に日中いるからだ。休日は家にいる時間が多くて、確かに空気が乾燥していると感じてはいたんだけど、「家にいるのは休日だけだし加湿器買うほどでもないか」くらいに考えていた。
第二子の誕生
加湿器を購入せざるを得ない事象が発生した。「第二子の誕生」だ。基本的に日中は妻と共にリビングで過ごすことになる。そうなったときに空気が乾燥しているのは不快だろう。現に妻は「空気が乾燥する」とよくつぶやいている。そして第一子は保育園に通っており、保育園から風邪をもらってくる可能性も高い。家でウイルスをばら撒かれ、さらに活性化されては困る。
適用床面積で使用しないと役割を果たさない
リビング用加湿器の購入前に、象印のスチーム式加湿器【EE-DC50型】(寝室用)を使用してみた。ところが問題発生。リビングにはEMPEXの高品質温・湿度計が設置されているんだけど、一向に部屋の湿度が上がらない。よくよく象印の加湿器の仕様を確認してみると、
『定格加湿能⼒(mL/h):480』
『適⽤床⾯積 :⽊造和室〜8畳(13㎡)/プレハブ洋室〜13畳(22㎡)』
我が家のLDKは24.8畳であり、加湿器の適用床面積から外れていたのだ。
基本的には適用床面積の範囲内で使用しないと加湿器は役割を果たさないことがわかった。加湿器を購入する際は必ず適用床面積を確認したほうがいい。
結果として新たに加湿器を1台買うことを決意した。
◆象印には1台で床面積に合うものがなかった
適用床面積に合う加湿器を買う必要があることを理解した私は、LDK24.8畳に必要な加湿能力を調べた。調べるのにはこちらを利用した。
計算の結果、880mL/h必要であることがわかった。
象印のスチーム式加湿器を気に入っていた私は、象印のハイパワーなモデルを検討したが、残念ながら1台では加湿能力が足りない。寝室の加湿器と合わせてリビングで2台稼働も検討したが、電気代が少々気になる。
結果行き着いた先がダイニチの加湿器だった。
実機写真

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ハイブリッド式(気化式×温風気化式)とは
ダイニチの加湿器はハイブリッド式(気化式×温風気化式)という方式である。名前の通り気化式と温風気化式を組み合わせている。HD-RXT924における2つの方式の特徴は下記の通り。ハイブリッド式は部屋の湿度に応じて気化式と温風気化式を切り替えて運転してくれる。
方式 | 加湿方法 | 電気代 | 加湿能力 |
---|---|---|---|
気化式 | 水を含んだフィルターに風を当てて加湿 | 低め | 低め |
温風気化式 | 水を含んだフィルターに温風を当てて加湿 | 高め | 高め |
電気代は抑えめ(スチーム式と比較して)
ダイニチHD-RXT924
ダイニチHD-RX9T24の最大消費電力は以下の通り。
https://www.dainichi-net.co.jp/uploads/manual/humidifier/hd-rxt524_724_924.pdf
ここで電気代を計算してみる。
【条件設定】
・使用時間6時間
・標準モード加湿時最大消費電力470Wで常に運転
・1kWhあたりの料金単価を25円と仮定
【1日あたりの電気代】
470[W]/1000[W]× 6[h]× 25[円/(kWh)]= 70.5…≒71[円]
【1ヶ月(30日)の電気代】
(71[円] × 30[日/月] =2130[円/月]
【注意点】
・計算過程の数字を全て切り上げしている。
・通常は設定湿度に達すれば、温風気化式と気化式を切り替えて運転する。よって計算した電気代よりも安くなる。
参考|電気代(象印加湿器2台稼働)
候補として検討していた「象印のスチーム式加湿器2台稼働」の電気代について計算してみる。なお加湿能力的に(480mL/h×2台=960mL/h)となり、ダイニチのHD-RX9T24(860mL/h)と加湿能力に若干差が生じていることは理解していただきたい。
象印のスチーム式加湿器の詳細はこちら↓↓↓
【条件】
・使用時間6時間
・加湿時最大消費電力410Wで常に運転
・1kWhあたりの料金単価を25円と仮定
【加湿開始までの電気代(1台あたり)】
985[W]/1000[W]× 35/60[h]× 25.67[円/(kWh)]=14.74…≒15[円]
【加湿中の電気代(1台あたり)】
410[W]/1000[W]× 6[h]× 25.67[円/(kWh)]=63.14…≒64[円]
【1ヶ月(30日)の電気代(1台あたり)】
(15[円]+64[円])× 30[日/月]=2370[円/月]
【1ヶ月(30日)の電気代(2台あたり)】
2370[円/月]×2=4740[円/月]
【注意点】
・計算過程の数字を全て切り上げしている。
・通常は設定湿度に達すれば、ヒーターON/OFFを切り替えて運転する。よって計算した電気代よりも安くなる。
同条件で比較すると、1ヶ月あたりの差額は2600円。使用時間が長くなればなるほど、この差は大きくなる。
吹き出し口は熱くならない
ダイニチの加湿器はハイブリッド式(気化式×温風気化式)だが、気化式、温風気化式のどちらの運転方式でも吹き出し口が熱くならない。小さい子どものいる家庭でも安心して使用できる。ちなみにタンクの水も熱くないので安心。
汚れやすいパーツは取替可能(これぞ本命)
おそらくダイニチの加湿器を選ぶ人の多くが1番魅力を感じるポイント。加湿器は日常のお手入れが必要だけど、もし、それを怠ってしまったとき、ダイニチの加湿器であれば汚れたパーツを取替えることができる。
もちろんお手入れをしっかりしてあげるのが1番。なんだけど万が一の時には取替パーツという保険が掛けられているのはありがたい。
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しかもよく調べてみるとダイニチWebShopには加湿器本体を除く、タンクやトレイ本体に至るまで別売部品として販売している。どのパーツを汚してもお金を出せば何とかなってしまう。
https://webshop.dainichi-net.co.jp/
消耗部品のコストがかかる
交換が推奨されている消耗部品(取替パーツ)を真面目に交換したときのコストは以下の通り。フィルターのタイプによっても金額が変わる。なお1シーズン(6ヶ月)あたりのコスト。
消耗部品 | 商品番号 | 備考 | 販売価格 | 1シーズンあたり コスト |
---|---|---|---|---|
抗菌気化フィルター (お手入れタイプ) | H060518 | 5シーズン使用可 (1ヶ月に1回クエン酸洗浄) | 税込1870円 | 税込374円 |
抗菌気化フィルター2個入り (使い捨て) | H060524 | 3ヶ月に1回取替 (水洗い、クエン酸洗浄不要) | 税込2640円 | 税込2640円 |
Ag+抗菌アタッチメントEX | H011503 | 1シーズン使用可 | 税込1320円 | 税込1320円 |
簡単取替トイレカバー(3枚入) | H011509 | 1シーズン使用可 | 税込1650円 | 税込550円 |
①お手入れタイプのフィルターを使用した場合:税込2244円
②使い捨てタイプのフィルターを使用した場合:税込4510円
【ダイニチハイブリット式加湿器と他メーカースチーム式加湿器を検討中の方へ】
確かにダイニチのハイブリッド式はスチーム式よりも電気代は抑えめなんだけど、上記消耗部品のコストがかかる。そういった点も考慮して、総合的に自身にあったモデルの購入をオススメする。
日常のお手入れはなにをする?
日常のお手入れはパーツによって異なる。取扱説明書に記載されている内容を簡単にすると下記の通り。
パーツ | 内容 |
---|---|
フィルター | 2週間に1回水洗いする。お手入れの2回に1回(1ヶ月に1回)はクエン酸洗浄をする。 |
トレイカバー | お手入れ不要(消耗部品として交換する前提の為) |
トレイ本体 | お手入れ不要(トレイカバーがある為) |
仕切り板 | 2週間に1回水洗いする。 |
吸気グリル | 週に1回、ほこりを吸い取る。 |
1ヶ月使用後の汚れ具合と清掃後
実際に1ヶ月使用した加湿器の汚れ具合と清掃後の状態を確認していく。
フィルター
まずは1ヶ月使用後の状態から。
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続いて清掃後(クエン酸洗浄後)の状態。
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トレイカバー
まずは1ヶ月使用後の状態から。
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続いて清掃後の状態。
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トレイ本体
トレイカバーのおかげでピカピカ。清掃不要。
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仕切り板
まずは1ヶ月使用後の状態から。
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続いて清掃後の状態。
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フィルターのクエン酸洗浄
フィルターをクエン酸洗浄した結果についてまとめる。洗浄方法については、取扱説明書に記載通りに実施。水4Lにクエン酸25gを溶かし、漬け置き時間は2時間とした。
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https://www.dainichi-net.co.jp/uploads/manual/humidifier/hd-rxt524_724_924.pdf
私なりのお手入れ戦略
2週間に1回きちんとお手入れ
ダイニチの加湿器【HD-RXT924】は運転時間にかかわらず、電源プラグをコンセントに差し込んでから2週間後にお手入れサインが点滅する。なんともありがたい機能である。この機能を利用して、2週間に1回お手入れを実施する。
パーツ | 内容 |
---|---|
フィルター | クエン酸洗浄する。(1ヶ月使用した実際の汚れを見て、毎回クエン酸洗浄のほうが望ましいと感じた) |
トレイカバー | 毎回メラミンスポンジでこすり洗いする。 |
仕切り板 | 毎回メラミンスポンジでこすり洗いする。 |
トレイ本体 | 基本きれいなので汚れていたら拭き掃除する。 |
適宜(たぶん週2回以上)
吸気グリルは割とホコリが溜まる。ホコリを除去するのに掃除機が必要だから、部屋の掃除機掛けと合わせてお手入れする。
部屋の掃除機掛けはたぶん週2回以上は実施するので、取扱説明書に記載の週1回よりこまめにお手入れすることになる。『水』を直接扱う部分ではないと思って油断してたけど、お手入れを怠ると雑菌の繁殖につながるのだそう。
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まとめ|100点満点の加湿器は存在しない
スチーム式もハイブリッド式(気化式×温風気化式)も使用してみた私としては、電気代もかからない上にお手入れ性も高い、そんな100点満点の加湿器はおそらく存在しない。加湿方式によってそれぞれメリットデメリットがある。あとは「ユーザー側が何を優先したいのか、優先すべきなのか」を自分に問いかけて明確にし、それに合った加湿器を選ぶしかない。その中で私としてはダイニチの加湿器は、経済性、お手入れ性のバランスが取れた製品であると感じている。
加湿器の購入を検討している方の参考になれば幸いである。